「さくらちゃん!」

 突然、上から呼ばれさくらは振り向いた。

「!?」

 そこにはしばらくあわなかったミカがいた。しかし、以前と違い巨大になっている。そして筋肉もばかばかしいほど発達していた。

「ミ、ミカさん??ず、ずいぶんプロレスでも見ないと思ったら…」

「ちょっと気合い入れて鍛えていたッスよ。少しはザンギエフ様に近づいたでしょ?」

「ち、近づいた…」どころか、筋肉はおろか、身長もザンギエフを越えているようにさくらには見えた。

「こうなってカムバックすると皆弱すぎて相手にならなかったんス…」

 当然だろう。これほどの体格があった上にこの筋肉だ。多少大きかろうが、いや、男子レスラーだって子供扱いだったろう…

「だからリュウさんやダンさん、ホンダさんに手合わせしてもらったんスけど… リュウさんはラリアット一発で…ダンさんはちょっとしたヒップドロップで…ホンダさんは軽いベアハッグで…み〜んな簡単に壊れちゃって入院しちゃったんスよ…」困ったようにミカが言うと視線をさくらにうつす。

「さくらちゃん。手合わせするッスよ!もう近所にはさくらちゃんしかいないッスから!」

「ええ〜!?やだやだ!」

「大丈夫ッスよ。さくらちゃん頑丈だから…」

「そそ、そーゆー問題じゃないよ!だいたいリュウさん達もかなわないのにあたしが今のミカさんにかなうわけないよ!」

「そんなぁ…まだあたしぜんぜん力出しきってないんスよ〜…」

「…じゃあ、ザンギエフさんとこ行けばいいじゃない…」

「…遠いんス…」

「ああ…そっか…」 

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